I no chi * mau

わたしを知る 綴る 見せる 還る。

耕す人

 

 

 

 

 

2019年6月28日

 


そのお店の扉を開けたら

スーッと 風が吹いた。

 

 

 

 


“あぁ、出逢う”

 

 

 


そんな感覚がした。

 


おしゃれなカウンターを左手に

餃子を焼く準備をしている嶋田夫妻を右手に


中に入っていった。

 

 

 


少し疲れているわたしの体が

すこし緩んで 頭もすっきりした。

 


わたしはゆっくり 前に進んだ。

 

 


一緒にお店に入った 綾乃ちゃんは

お腹の赤ちゃんを大切そうに感じながら、

 

自由にしていいよ

 

と言ってくれているような安心感を醸し出して

椅子に座っていた。

 

 

 


さっきの風の爽やかさとは別に

 

 

わたしのこころは すごく温かくなってきていた。

 

 

 

 

お店の空気とわたしの間を感じていたら 

だんだん 視覚が本領発揮してきた。

 

 

 

 

おしゃれな靴や、服、鞄、アクセサリーがある程度まとまって 並んでいる。

 

どれも仲が良さそう。

 

 

 

わたしが好きな皮物の茶色に惹かれる。

かなりの数の物がある。

 

 

 

並べられているというより、

飾られている物たちは、

とても大切にされている感じがして

 

 

 

ひとつひとつ透明のベールに包まれているみたい。

 

 


ひとつ、ひとつ。

 

 

 

 

 

 

壁の方にたどり着いたらそこには

 

こだわって選ばれたんだろうなぁ

 

と勝手ながら思う、

大きめの絵がいくつも飾られていた。

 

 

 

 

 

 

あぁ、そっか。

 

 

このお店のオーナーさんは

ここに本当に好きなものしか置いていないのかも。

 

 

 

 

愛された物は ここまで愛されていることを伝えてくるんだ。

 

 

 

胸がだんだん熱くなってきた。

 

 

 

 

目の前に、こげ茶色の結構古めのピアノがある。

 

 

 

その椅子に目を写した瞬間に

 

が震えた。

 

 

 

ピアノの椅子に 

 

お店中の愛された物たちの気持ちが集まって 

 

人の姿になってピアノを弾いているのを見ているかのような感覚に取り巻かれた。

 

 

 

時を越えて

 

ここは 愛されてきた

 

 

 

 

 

ピアノの音が上から聴こえてきた。

ロフトで女性の方がオルガンを弾いている。

 


その隣には おそらくオーナーの方。

 

 


その音と一緒に わたしはそのまま心地よく飾られている絵を見続けた。

 

 


その絵は 1週間ほど前にここで行われたライブペインティングの絵。

 


何重にも書き重ねられた絵。

他の色が混ざった緑が綺麗。

 

 


その渦の中に 女性と男性。

女性は上向きに寝ていて

男性は座ってその女性の顔を温かく包んでいる。

 

 


無条件にこの女性を愛している男性の眼差しに

胸がきゅー となった。

 


色んな物語を含んでいるだろうけれど

わたしにはその絵しか今は見えない。

 


十分に豊かさと美しさを感じさせてもらえて

幸せな気持ちだった。

 

 

 

ピアノを弾いていた女性と 

オーナーさんらしき方が一階に降りてきた。

 


わたしを今日のライブに誘ってくれた十輝くんと打ち合わせで話しているオーナーさんらしき人をわたしは見つめた。

 


すぐに挨拶をしたい気持ちを落ち着かせて

話が終わるのをずっと側で待った。

 


視線をその方から絵に移した瞬間に

 

 


こんにちは。」

 


とその方から挨拶をして下さった。

 

十輝くんが オーナーさんの空本さん、と紹介してくれた。みんな空さんと呼んでいた。

 

 


その方の目を見た瞬間にわたしは涙ぐんでしまった。

 


こんにちは。」

 


震えないように声を出して、ちょっとだけ感動したことを言葉にさせてもらった。

 

 

 

 


空さんは 本当に嬉しい。と言ってくれた。

 

 

 

 


わたしも本当に嬉しかった。

 


わたしは自分が感じた本当を分かってもらえないことが、きっと人よりも怖いと感じると思う。

わかってほしい気持ちが強い、ちょっと謙虚さにかける自分。

 

 


だからこそ、このわたしの全細胞が感じた真実が伝わって嬉しかった。

 

 

 

 

 

 

ここは古着屋さんだけれど

カフェみたいにコーヒーやお菓子も楽しめる。

空さんのコーヒーをお願いした。


そしてカップには 空さん直筆の言葉を書いて下さった。

 

 

 

日日是好日

 

 

 

わたしには これだと思った、と手渡してくれた。

 


わたしは “いま、ここ。” のいのちを舞うように生きる、ということを(出来ているかどうかは別として)しているから、舞をまだ見ていないのにこれを渡してくれて嬉しかった。

 


今日という日は今日しかなくて

今日という日が 最高。

今日という日を楽しむ。

 


そんな愛を さりげなくわたしに贈ってくれた。

 

 

 

そこから

空さんのお店のことを聴いた。

 


近くにギャラリーもあってそこは物は何もないけれどそっちもいい感じだということ。

 


一輪のお花を男性が女性に渡す、というコンセプトでお花屋さんを始めたら お客さんが来すぎて大切にしたいことが出来なくなったから 辞めることにした、ということ。(それでも古着屋さんの中にちゃんと、色っぽい素敵なお花も小さくだけれど売っていた。)

 


空さんのことを聴いた。

 

耕すということ。

 


自分のステージを 毎日毎日ここで作っている。

保つ、ということは大変で、今日はこのディスプレイを変えようかな、そろそろイベントをしようかな、そんな風に 毎日を新しく迎えるという気持ちでお店にいる、と。

 

 

 

思ってることとやってること

              それらを一致させる、難しいけどね。

 

 

 

と、空さんは言った。

美しかった。

 


そんな会話をしていると 

真由ちゃんが岡山からきた。

 


「外の壁が素敵すぎて写真撮っちゃいました。」

 

 

と。

空さんの想いが強くありそうな場所に惹かれてキラキラしていた。

 


真由ちゃんの感性は本当にすごいと毎回ときめくけれど、今回も。

 


空さんに勧められてわたしも外へ。

 

 

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東北の震災で空さんは

もう自然には敵わないと思ったらしい。

だから 想いを形にしたいんだと。

 


このアートは、通りがかりの子供たちにも声をかけてみんなでアートしたそう。

愛だった。

 

 

 

 

 

 

だんだんお客さんも集まってきた。

 


ドブロ奏者のカズくんと初めてコラボする。

RiCKLEの想いに満たされつつあるわたしはカズくんと話した。たくさんの共通点があって響き合えた。

 

 

 

ロフトに上がって お店を感じた。

 

 

嶋田夫妻は 餃子を焼き始めていて、

十輝くんはマイクを持った。

 


わたしも、

このRiCKLE!で いのちを舞う準備満たんだった。

 

 

 

 

 

空さんはいま、どんな気持ちなんだろう。

 

 

 

 

 

今日は GYOZA LIVE。

 

 

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*

 


*

 


 


 


 

 

 

 

 

 

空さんのようにみんな

絶対に誰にも譲れない、変わらない想い。

 


きっと誰にでもあるんだと思う。

だから生まれてきたんだと思う。

 


真珠のようなもの。

 


たとえ 時に世界や 周りや 自分が腐って見えても

どうしたって人は腐れないと思う。

 


腐る、なんて言葉を普段使わないし

使ったらだめな感じがしたけれど 

今日はそれだけ愛を書きたい。

 


27歳の豆粒みたいな手ぶらなわたしがそんなことを語るのは鼻で笑われるかもしれないけれど、

 


これがいまの私から溢れる湧水。

 


どうか 

 


こうして誰かの愛に触れて感動して

生きる歓びを感じている 

このわたしのいのちの舞が

 


空の向こうに届きますように。

 

 

 

ありがとう。

わたしは種を蒔きます。

 

 

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(撮影: 真由ちゃん)

 

 


いのち舞う*  きむらのりこ

 

 

 

 

 

 

 

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空本 健一さん

http://blog.livedoor.jp/rickle/

 


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